栃木県の干瓢(かんぴょう)について
干瓢が生産されている県は、栃木県です。なんと全国生産量の98%を占めます。栃木県南部の土壌が干瓢の生育に合っていると考えられています。また、栃木県南部は夏の間、夕立が毎日発生して雨が降るため、地面の熱を低下させて暑さに弱い夕顔を守っているのです。
販売されている干瓢とは、夕顔の実をりんごの皮を剥くように細い紐状に剥き、天日にて2日間干し上げた乾物のことです。
干瓢の特徴は、豊富な栄養素です。特に食物繊維は、ゴボウの3~4倍含有します。カルシウム、カリウム、リン、鉄といったミネラルも他の野菜と比べて段違いに多く含みます。ほうれん草と比べると、カルシウムは約4~5倍、鉄分は1.5倍です。
干瓢のおいしさは、独特な歯応えと、どんな料理にもアレンジがきく淡白な味わいにあります。人気の理由は、健康ブームの中で、その栄養価が注目されているからです。栃木県では、干瓢を粉末にする技術を開発し、粉末干瓢を原料としたうどんや、和菓子を販売しています。これらの加工品も非常に人気を集めています。
調理法は、さっと水洗いした後に塩(小さじ1)を加え、柔らかくなるまでもみます。塩を洗い流して水気を絞り、たっぷりの熱湯で好みの柔らかさに茹でます。茹でた後は、硫黄の溶けた茹で汁を流すために、必ず水洗いして茹で汁を捨ててください。このように下処理してから、様々な料理に使えます。
おなじみの干瓢巻や、細かく切って出汁で煮込んで卵とじに、また味噌汁の具などに活躍します。シチューなどの洋風料理にも使えます。干瓢は、下処理に少し手間がかかりますので、多めに下処理しておき、小分けにして冷凍しておくと便利です。
スーパーなどでの値段の相場は、100グラム500円前後です。栃木近辺のスーパーでは簡単に手に入ります。遠方の方はインターネットショッピングが手軽です。贈答品、高級品が中心ですが、調査したところ、100グラム700 円くらいです。