チャーハン・パスタに使える酸味~京漬物のすぐき漬け
京都独特の食材として、京漬物のすぐき漬けがあります。
すぐきは、菜っ葉の名前で、アブラナ科の一種であり、カブによく似た実を付けます。加茂川と高野川に挟まれた三角州で作られていたため、加茂菜とも呼ばれています。
すぐき漬けは、塩だけを使用して漬ける漬物で、千枚付けやしば漬けと並んで京都の3大漬物としても有名です。
しかし、一般的にはあまり馴染みがないのが特徴となってしまいました。なぜ、全国に知られることが少ないのでしょうか。
秋になると、収穫されたすぐき菜は、実の表面の皮をむいてから荒漬けと呼ばれる塩漬け作業が始まります。荒漬けが終了したら、一昼夜かかってから、本漬け作業が始まります。
丁寧に水洗いをして、樽に並べて塩で漬け込みます。空気に触れないように重石を乗せ、室と呼ばれる加熱室で熟成に入ります。室は40度程度に温められており、乳酸発酵が行われます。
1週間もすると、京都独特の漬物、すぐき漬けが完成します。酸茎とも書くことからもわかるように、すぐきの漬物は酸味がきつい味が特徴となっています。
乳酸菌による発酵で、深い酸味があります。長年使用している樽や室に大切な乳酸菌が住み着いているため、京都府民に愛されるような豊かな味わいになるのではないでしょうか。
しかし、その独特の酸味は誰もが好むものではなかったのかもしれません。熟成が進むと、府民でもびっくりするような酸味になることもあります。若い人達が好むようなサッパリしたサラダ感覚の漬物ではないことが全国に普及しなかった理由かもしれませんね。
けれど、すぐきの持つ独特の酸味が体に良いということがわかってきました。腸まで届くという乳酸菌のラブレ菌は、無添加のすぐき漬けから発見されました。これが人気になってきた理由です。
刻んだすぐき漬けに少量の醤油をつけてから食べると食べやすく、食事の口直しに最適です。小さく刻んで炒め物やチャーハン、パスタにも使用できます。
加熱すると、酸味も和らぎます。価格は、丸ごと1個千円前後、100g400円程度が相場になっています。京土産店や京漬け物サイトから通販で購入可能です。
すぐき 丸すぐき漬け 約1kg 京都上賀茂「森田農園」から樽出し!すぐきのお漬物【クール冷蔵便】【RCP】 02P23Apr16 |